アセットは、組織の基礎です。
よく統制された方法でアセットを管理することで、コストとリスクを最適化し、事実に基づいた適時適切な意思決定を行い、組織の目標にかなった価値を生み出すことができるようになります。
アセットマネジメントとは?
アセットマネジメントは、組織がアセットからより大きな価値を得られるよう、財務、運用、維持管理、リスク、その他アセットに関連するさまざまな活動を調整します。ISO 55000シリーズ規格は、有形、無形の両方のアセットを対象にしています。
ISO 55001とは?
ISO 55001は、アセットマネジメントのためのマネジメントシステムの要求事項を規定しています。
ISO 55001のマネジメントシステムは、アセットマネジメントの方針、ガバナンスやプロセスを確立するためのフレームワークを示しており、これによって組織が戦略的な目標に向けて取り組みを進めることが可能になります。ISO 55001は、アセットに関連するコスト、パフォーマンス、リスクを管理することによって、継続的な改善と持続的な価値創造を推進する、体系的、効果的かつ効率的なプロセスを採用しています。ISO 55000とISO 55002はISO 55001を補完するもので、ISO 55000は概要、原則及び用語を、ISO 55002 はISO 55001適用のための手引きを、それぞれ規定しています。 この規格は、マネジメントシステムの必要性に焦点をあてており、特定の種類のアセットを管理するための財務・会計、または技術的な要求事項を規定するものではありません。 ISO 55001とは? ISO 55001は、アセットマネジメントのためのマネジメントシステムの要求事項を規定しています。 ISO 55001のマネジメントシステムは、アセットマネジメントの方針、ガバナンスやプロセスを確立するためのフレームワークを示しており、これによって組織が戦略的な目標に向けて取り組みを進めることが可能になります。ISO 55001は、アセットに関連するコスト、パフォーマンス、リスクを管理することによって、継続的な改善と持続的な価値創造を推進する、体系的、効果的かつ効率的なプロセスを採用しています。ISO 55000とISO 55002はISO 55001を補完するもので、ISO 55000は概要、原則及び用語を、ISO 55002 はISO 55001適用のための手引きを、それぞれ規定しています。
この規格は、マネジメントシステムの必要性に焦点をあてており、特定の種類のアセットを管理するための財務・会計、または技術的な要求事項を規定するものではありません。
ISO 55001の重要性
ISO 55001に準拠することによって、組織に能動的で継続的な改善の文化が形成され、アセットからの価値を効果的、効率的に高めることが可能になります。この規格は、アセットマネジメントについての最新の考え方と最良の方法を反映しています。
また、ISO 55001に基づくアセットマネジメントのフレームワークを開発し、実施し、根付かせることによって、組織がパフォーマンス、リスク、コストを極めて効果的かつ効率的な方法で管理していることを内外のステークホルダー(規制機関、顧客、保険会社など)に示すことができます。
国際的に認められたISO 55001マネジメントシステム規格は、組織に共通の言語と、信頼できる意思決定のフレームワークを提供します。それによって、組織は一貫性のあるアセットマネジメントを実践することが可能になります。また、ISO 9001、ISO 14001やISO 31000といったISOの他のマネジメントシステム規格とも整合し、組織運営の全ての面において一貫したマネジメントの実践が可能になります。
ISO 55001の導入による主な便益
- パフォーマンスの向上:短期・長期の機会を効果的かつ効率的に管理することで、持続可能性が向上し、業績や社会的責任に対するステークホルダーの期待を、継続的に満たし、それを上回ることが可能になります。
- コストの改善:アセットマネジメントシステムは、短期・長期の組織のパフォーマンスを犠牲にすることなく、投資収益率やコスト削減指標の向上を促します。さらに、アセットの価値を高めて収益を向上させます。
- リスクの管理:プロセス、手順、アセットのパフォーマンスを継続して見直すことによって、コスト、リスク、パフォーマンスデータのバランスのとれた、情報に基づくマネジメントの意思決定が可能になり、組織の効率性と有効性が向上します。
- 事業の成長と改善の保証:強固なアセットマネジメントシステムは、組織的、協調的で、優先順位が付けられ、調整された実施計画による改善を手助けします。これにより、組織の目標や責務が組織全体に伝達され、理解されるようになります。
- 信頼性の高い意思決定:アセットマネジメントシステムを実行することにより、アセットに関連する活動の開発・調整・管理について信頼性の高い意思決定が可能になります。
- コンプライアンスを通じたステークホルダーの信頼性の強化と評判の向上:ISO 55002の手引きに基づいてISO 55001を導入することによって、組織の方針と戦略を明確にし、アセットマネジメントシステムの維持と継続的改善、そして他のマネジメントシステムとの整合を実証することができます。
ISO 55001の導入による便益を紹介したケーススタディは、このリンク (English) をご参照ください。
誰にとってのISO 55001か?
アセット集約型の組織はすべて、官民に関係なく、そのアセットが有形でも無形でも、ISO 55001を利用することによって便益を得ることができます。特に、アセットの価値を高めようとしている組織や、顧客の所有するアセットの管理を任されている組織は、この国際規格に基づくアセットマネジメントシステムを有効に活用できます。一例として、以下のような組織が挙げられます:
- インフラや産業部門(エネルギー―発電・送電・配電、上下水道サービス、通信、鉄道、都市交通など)
- インフラを基盤とした「公共サービス」(空港、病院、道路など)
- 製品やサービスが政府機関によって規制されているすべての経済部門
- 資本集約的な産業および高付加価値型の企業(鉱業、石油化学、製造業など)
- 不動産セクター(住居、商業施設、文化材など)
- サービス提供組織(ソフトウェア、コンサルティング、その他専門的サービスなど)
誰が関与すべきか?
アセットマネジメントは、誰にも関係があります。設計および開発、契約管理、調達、サプライチェーン、運用、維持管理、マーケティング、広報、顧客サービス、人材、リスク、文書およびデータ管理、健康、安全と環境、法律、財務、知的財産など、あらゆる事業活動がアセットマネジメントに含まれます。アセットマネジメントシステムは、これらの異なる部門間の協調的で協力的な関係を構築します。
ISO 55001の監査
ISO 55001の監査に対するアドバイス まず参照すべきは、ISO 19011:2018マネジメントシステム監査のための指針です。また、ISO 17021-5適合性評価-アセットマネジメントシステムの審査及び認証を行う機関に対する要求事項も、アセットマネジメントシステムの監査や認証に必要な力量の要求事項を規定しています。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成
国連の持続可能な開発目標の達成に貢献しようとする組織にとって、優れたアセットマネジメントは重要な役割を果たします。アセットマネジメントが、SDGsのうちの7つに直接貢献する理由を、こちらの記事で紹介しています。
私たちとは?
私たちは、ISOのアセットマネジメントシステムの技術委員会(Technical Committee)で、ISO 55000シリーズ規格の開発を行っています。このシリーズ規格は、アセットマネジメントの実践における優れた取り組みを明らかにし、マネジメントシステムの要求事項を規定したものです。規格は、あらゆる種類のアセットとあらゆる組織に対して適用されます。
私たちの使命
- アセットマネジメントの便益を、内外に知らしめること
- フィードバックを受け取り、アセットマネジメントの基準を向上させること
- アセットマネジメントの理解を高め、広めてもらうために、新たな資料等を整え、開発すること
ISO 55000シリーズ入門(竹末直樹)
ISO 55001の詳細
私たちはアセットマネジメントに関する既存の多くの知識体系を拡大しようと取り組んでいます。詳細はこちら (English) をクリックしてください。日本語で公開されている資料へのアクセスは、このページの広報物をご覧ください。
開発した文書
ISO 55000:2014
アセットマネジメント-概要、原則及び用語
ISO 55001:2014
アセットマネジメント-マネジメントシステム-要求事項
ISO 55002:2018
アセットマネジメント-マネジメントシステム-ISO 55001の適用のためのガイドライン
ISO/TS 55010:2019 アセットマネジメント-アセットマネジメントにおける財務及び非財務の機能の整合に関する手引き
ISO 55000及びISO 55001は現在、英語、フランス語、中国語、ドイツ語、ペルシャ語、フィンランド語、日本語、ポルトガル語、ロシア語、セルビア語、スペイン語、及びスウェーデン語に翻訳されています。ISO 55002とISO 55010は、これらの言語への翻訳が進められています。
ISO 55000シリーズの購入
ISOの規格は、各国の標準化機関及びISO(英語とフランス語のみ)にて、販売されています。
関連するISOのページ
ISO 55001の開発主体
世界の様々な分野の専門家からなる技術委員会ISO/TC251が、現在の規格を開発し、さらに将来に向けて継続的な改善に取り組んでいます。35か国以上の国家標準化機関の代表がこの規格の作成に貢献し、アセットマネジメントの様々な研究機関、協議会、協会等から多くの関係者が継続的に参加しています。
TC251の活動
アセットマネジメントの分野は急速に発展しています。TC251ではフィードバックを集約し、ISO 55000シリーズ規格の向上と拡大に取り組んでいます。詳細はこちら (English) をご参照ください。
TC251への参加方法
アセットマネジメントの専門家は誰でも、私たちのグループに参加し、経験を共有して将来の規格の策定に貢献することができます。具体的な参加方法については、貴国の国家標準化機関にお問合せください。
広報物
TC251は、ISO 55000シリーズ規格の特定の側面について明確にするため、詳細に記述したガイダンス記事を開発しています。日本語の記事は、この下に公開されています。
ISO 55001とISO 41001 の連携は 組織のパフォーマンスと クオリティオブライフを いかにして改善するか
アセットマネジメントの コンテクストにおける アセットの管理
アセットマネジメントにおける「整合」をどのようにして達成するか?
ISO55001によるアセットマネジメントシステムの便益を理解する
ケーススタディ
以下は、ISO55001を採用した海外の組織の説明資料です。英語の原典と併せてご覧ください。
Scottish WaterはISO 55001認証を使用して、物理アセットを効率的に管理し、顧客サービスのレベルを上げている